宮城県保育施設 生成AI活用支援事業
保育×生成AI 事例集
明日、自分の園で試せる作り方つき
宮城県の保育士さんが生成AIで実際に作ったものと、その作り方です。読んで終わりではなく、書いてある通りに操作すれば同じものが作れるように、使ったプロンプト(AIへの頼み方)、つまずいた時の直し方、子どもとの使い方まで載せています。
試作版:内容は投稿された実践をもとに、園名や個人が分からない形に整理しています。掲載している画像は、同じ頼み方でAIに作り直した「再現イメージ」で、投稿された実物ではありません。
このページの使い方
- 気になる事例を読む(5分)
- 「プロンプト」の枠にあるコピーを押して、ChatGPTなどの生成AIに貼る
- 自分の園の材料(写真や参考リンク)に置き換えて送る
- できたものを確認して、足りない所だけ直す
- うまくいったら、LINEグループに投稿する(ページの最後に投稿のコツがあります)
事例 01
掲示物・画像づくり
昆虫の成長がわかる掲示物を、家庭の写真とAIで作る
2026年8月投稿 / 4歳児クラス / 使ったもの:ChatGPT、保護者から提供された写真6枚 / 所要 約20分
手元にない場面の写真だけAIに補ってもらい、「たまご→ようちゅう→さなぎ→羽化→成虫」を10コマで追える掲示物にした。文字はすべてひらがな。
再現イメージ(このページの下にあるプロンプトでAIに作り直したもの。投稿された実物ではありません)。実物は、家庭から提供された実写6枚とAI生成4枚を組み合わせた10コマでした。
投稿した先生がやったこと
4歳児クラスの保育教諭(園名は伏せています)
クラスで昆虫に興味を持つ子が多く、成長の過程を伝える掲示物を作りたかった。カブトムシを成虫まで育てたご家庭から写真を提供してもらい、その6枚をChatGPTに添付して「昆虫の掲示物をつくって」と頼んだ。
ところが、さなぎの写真の上に「たまご」という違うラベルがついて出てきた。そこで最初からやり直さず、チャットを分岐させて足りない部分だけ作り直し、「昆虫の成長の様子が分かるような掲示物を作ってください」と目的がはっきり伝わる言い方に変えた。
できあがりは10コマ。1・2・9・10番はAIが作った絵、それ以外は家庭の実写。文字はすべてひらがなで、子どもが自分で読める。
あなたが試すときの手順
投稿された実践を、初めての人でもなぞれるように整理したものです。
準備するもの
| 生成AI | ChatGPT(スマホアプリで可)。写真を添付できて、画像を作る機能が使えるもの |
| 写真 | 成長の場面が分かる写真。3〜6枚あれば十分。全部そろっていなくてOK(ない場面はAIに補ってもらう) |
| 家庭からもらう場合 | 「園の掲示物に使わせてください」と用途を伝えて、了承をもらっておく |
| 時間 | 約20分(作る10分、確認と直し10分) |
手順1 写真を添付して、こう頼む
ChatGPTで新しいチャットを開き、写真を添付してから、次の文を送ります。
プロンプト添付した写真を使って、4歳児クラスに掲示する「かぶとむしの せいちょう」のポスターを作ってください。
・たまご → ようちゅう → さなぎ → 羽化 → 成虫 の順に、番号をつけて並べてください
・写真がない場面は、写真に合う雰囲気の絵で補ってください
・各コマに1〜2行の短い説明をつけてください
・文字はすべてひらがなにしてください
・A4横で、園名や人物は入れないでください
ポイントは「誰が読むか(4歳児)」「何の順番か」「文字はひらがな」を最初に伝えること。投稿した先生も、最初の「昆虫の掲示物をつくって」だけでは狙いが伝わらず、2回目で目的を言い直しています。
手順2 できたものを確認する
- 成長の順番が正しい
- 各コマのラベル(たまご・ようちゅう など)が写真と合っている ← 実際にここで間違いが出ました
- 文字が全部ひらがなになっている
- 子どもが読める大きさで、間違った説明が混ざっていない
手順3 足りない所だけ直す
全部作り直さず、間違った場所を指して直してもらいます。同じチャットで続けて送ればOKです。
直すとき3番のラベルが「たまご」になっていますが、この写真は「さなぎ」です。3番のラベルだけ「さなぎ」に直してください。ほかはそのままで。
場面を足すとき「からを やぶって でてくる」場面の絵を1コマ足してください。ほかのコマと同じ雰囲気で、説明はひらがなでお願いします。
手順4 印刷して、子どもの目の高さに貼る
A4横かA3で印刷。飼育ケースのそばに貼ると、子どもが実物と見比べて指差しします。
うまくいかない時は
| ラベルや順番が違う | 間違った番号を指して「〇番だけ直して、ほかはそのまま」と頼む。全部やり直すより早い |
| 漢字が混ざる | 「文字はすべてひらがなにしてください」をもう一度送る |
| 写真がAIの絵に置き換わってしまう | 「添付した写真はそのまま使い、足りない場面だけ絵で補ってください」と伝える |
| 直すたびに別の場所が崩れる | うまくいった版の画像を保存し、新しいチャットにその画像を添付して「この画像の〇番だけ直して」と頼む(投稿した先生が「チャットを分岐」したのと同じ効果) |
子どもとどう使うか
- 飼育中なら、今どの段階かを一緒に指差して確認する
- ひらがなが読める子が、読めない子に読んであげる場面が生まれる
- 保護者にも「お家の写真が掲示物になりました」と伝えると、次の写真提供につながる
ほかに使えるテーマ
あさがおの成長、おたまじゃくしからカエル、ちょうの一生、給食の野菜ができるまで。「順番があるもの」なら同じ頼み方で作れます。
この事例の学び
- 実写とAIの絵は混ぜられる。手元にない場面だけAIに補わせればいい
- AIのラベル付けは間違うことがある。できあがりは必ず人が中身を確認する
- やり直しは「足りない部分だけ」。最初からではなく、場所を指して直す方が早い
事例 02
手順書・画像づくり
子どもが自分で読める「ひかるどろだんご」の手順書を作る
2026年9月投稿 / 年長クラス / 使ったもの:生成AI、参考にしたWebページのリンク / 所要 約15分
参考リンクを渡して「画像多め・ひらがな・さらこなの作り方も」と3つ条件をつけたら、8ステップの手順書が2回目でできた。
再現イメージ(下のプロンプトでAIに作り直したもの。投稿された実物ではありません)。実物は「さらこなをつくる」から「さいごに磨いてつやを出す」まで8ステップで、休ませる時間やコツも入っていました。
投稿した先生がやったこと
年長クラスの保育士(園名は伏せています)
クラスで光る泥だんご作りが流行っていて、子どもが自分で読んで進められる手順書がほしかった。参考になるWebページのリンクをAIに貼ってから、①年長児でも分かるように画像多めで ②説明はひらがなで ③さらこな(きめの細かい砂)の作り方も載せて、の3つを頼んだ。
1回目は満足できなかったので、足りない点を指示に足して作り直し、2回目で納得できるものになった。各手順に写真とひらがなの説明、休ませる時間や失敗を防ぐコツも入っている。
あなたが試すときの手順
準備するもの
| 生成AI | ChatGPT(スマホアプリで可)。画像を作る機能が使えるもの |
| 参考リンク | 作り方が載っているWebページを1つ。「こういう内容にしたい」の見本になる。なくても作れる |
| 時間 | 約15分(1回目5分、直して2回目まで10分) |
手順1 参考リンクと条件をまとめて送る
プロンプト次のページを参考に、年長クラスの子どもが自分で読める「ひかる どろだんごの つくりかた」の手順書を作ってください。
(ここに参考ページのURLを貼る)
条件:
1. 年長児でも分かるように、画像を多めにしてください
2. 説明はすべてひらがなで、1つの手順に1〜2行にしてください
3. 最初に「さらこな(きめのこまかい すな)」の作り方も載せてください
4. 休ませる時間の目安や、ひびわれを防ぐコツも入れてください
5. A4縦1枚で、園名や人物の顔は入れないでください
投稿した先生は条件を3つで頼み、足りなかった点を2回目で足しました。4と5は、その「2回目で足したくなる点」を最初から入れたものです。
手順2 できたものを確認する
- 手順の順番どおりに作れる(抜けている工程がない)
- ひらがなだけになっている
- 年長児が1人で読める分量(1手順1〜2行)
- 危ない指示や、実際と違う説明が入っていない
手順3 足りない点を1つずつ足す
直すときさらこなの作り方が抜けています。手順の最初に「かわいた つちを ふるいに かける」を足してください。ほかはそのままで。
短くしたいとき4番の説明が長いので、ひらがな1行にしてください。ほかの手順は変えないでください。
手順4 印刷して、材料のそばに置く
ラミネートすると泥がついても拭けます。子どもが読みながら作れるよう、砂場や活動コーナーに置きます。
うまくいかない時は
| 1回目がいまいち | 普通のことです。「何が足りないか」を1つずつ言葉にして足す。投稿した先生も2回目で完成 |
| 説明が難しい言葉になる | 「5さいの子どもに話すように」と読み手を具体的に伝える |
| 絵が実際の作り方と違う | 「〇番の絵は、りょうてで まるめている ようすにしてください」と場面を指定する |
| 手順が多すぎる | 「手順は8つまでにまとめてください」と数を指定する |
子どもとどう使うか
- 読める子が読み上げて、みんなで工程を確認してから始める
- 「いま なんばん?」と手順書を指差しながら進めると、待つ工程(休ませる)も納得しやすい
- できあがった泥だんごと手順書を一緒に飾ると、家庭にも伝わる
ほかに使えるテーマ
しゃぼんだま液の作り方、おにぎりの握り方、手洗いの順番、植木鉢への種まき。「子どもが自分で進める手順」なら同じ頼み方で作れます。
この事例の学び
- 参考リンクを先に渡すと、AIが狙いをつかみやすい
- 読み手を指定して伝える。「ひらがなで」「画像多めで」のように、誰が読むかを言葉にする
- 1回で決まらないのが普通。足りない点を1つずつ足していく
はじめて作る人へ
2つの事例に共通する、基本の流れと約束ごと
頼み方の基本形
うまくいった2つの事例は、どちらも次の形になっています。
型(材料を添付・リンクを貼る)
「(誰)が(どう使う)ための(何)を作ってください。
・(内容の順番や含めてほしいこと)
・文字は(ひらがな/大きく など)
・(サイズ)で、園名や人物は入れないでください」
- 誰が読むかを言う:「4歳児クラスに掲示する」「年長の子どもが自分で読む」
- 材料を渡す:写真、参考リンク。ない場面はAIに補わせる
- できたものを人が確認する:順番、ラベル、ひらがな、間違い
- 足りない所だけ直す:「〇番だけ直して、ほかはそのまま」
安全に使う3つの約束
- 子どもの顔・名前、園名は入れない。AIに送る写真も、作った掲示物も同じ。手元だけ・物だけの写真にする
- 家庭からもらった写真は、用途を伝えて了承をもらう。「園内の掲示物に使います」と一言
- AIが作ったものは、必ず人が中身を確認してから使う。事例01では、さなぎに「たまご」と間違ったラベルがつきました
試したら、投稿してください
うまくいっても、いかなくても、次の3つがあれば事例になります。
- 困っていたこと(何のために作ろうとしたか)
- やったこと(どう頼んだか。うまくいかなくて直したなら、それも)
- できたもの(画像。子どもの顔や園名が入らないように)
投稿先は「宮城県の保育士がAIについて話す」LINEグループ。他の園の先生が同じことで困っています。